- FEATURE -
" Where Comfort Quietly Grows "
心地よい暮らしを育てる - 灯りと素材が紡ぐ POINT NO.39 の時間
暮らしとは、自分の好きなものや心惹かれるものと、静かに時間を重ねていくことなのかもしれません。
POINT NO.39 の空間には、長く愛されてきたものや、静かに寄り添う灯りが集まっています。
- 今回の FEATURE では、 ”暮らし” をキーワードにオーナー杉村に3つのテーマで語ってもらいました。-
●「POINT NO.39」が想う、心地よい暮らしとは
● 暮らしの中の灯りの役割
● 経年変化したもの、していくものたちが、暮らしの中に与える良さとは
言葉の向こうに流れている空気感や、杉村の “ものへの眼差し” まで感じていただけたら嬉しいです。
Interviewer / Sinzato

" 「POINT NO.39」が想う、心地よい暮らしとは ”
新里:
まず最初のテーマです。
「POINT NO.39 が想う、心地よい暮らし」とは、どういうものだと思われますか?
杉村:
やっぱりね、
自分の気に入ったものに囲まれて暮らすっていうのが一番なんだろうなって思っていて。
それともう一つ、
あまり制限を設けるのが好きじゃないんですよね。
自分に対しても、人に対しても、
「こうでなきゃいけない」っていうものをなるべくなくしたい。
自分の既成概念みたいなものは、できるだけ取り払いたいって思っていて。
それもあって、お店のスタイルとして " 1920年代のニューヨークの架空のお店 " みたいなテーマを置いているんですけどね。
新里:
1920年代のニューヨークって、どんな時代の印象ですか?
杉村:
混沌としていて、人が最もエネルギッシュだった時代って印象がありますね。
いろんな国のものがニューヨークに入り込んで、そこで混ざり合って、新しいものが生まれているんです。
うちのお店にも国や時代に縛られず “いいと思ったものを取り入れていく” っていう考え方があるんです。
ただ、なんでもいいわけじゃなくて。後ろに一本通っているのは
素材が良いこと。

新里:
素材…
杉村:
そう、素材。
そして 作り手の想い。
言葉にするのは難しいけど、、想いって、その物に宿っている気がするんです。
素材の選び方や細かいディテールにそれが現れてくる。
それを、自分たちは知らず知らずのうちに感じている。
そういうものを空間に取り込むことで、心地よい空間に変わっていく。
それが POINT NO.39のスタイル、 “心地よい空間の考え方” なんだろうなと思っています。
新里:
「いいものを見極める目」っていうのも関連しそうですね。
杉村:
そうですね。
高いから良いとか、デザイナーだから良いとか、そういうことではなくて。
自分がいいと思えるものをちゃんと考えて選んでいけるそんな場所、そんなお店でありたいと思っていますね。
新里:
ありがとうございます。とても印象に残るお話でした。

" 暮らしの中の灯りの役割 "
新里:
では次のテーマです。
「暮らしの中の灯りの役割」について伺いたいです。
杉村:
これも何度か話していることだけど、海外買い付けから帰ってくるとき、
高速から見える東京湾沿いの高層マンションの窓ガラスの光の色が白いんですよ。
あの光景がすごく印象的で。
あぁ、日本ってまだまだ照明との付き合い方に入り込む余地があるなって、そこが始まりなんですよね。
実際、自分の暮らしの中でも、オレンジ色の光で生活していたことってほとんどなくて。
思い返すと、幼少期の実家なんかはずっと白い光でしたね。
照明って、“部屋を明るくするためだけのもの” っていう認識だったんです。
杉村:
新里さんはどう?
新里:
私の実家はまさにシーリングライトでした。
それが当たり前になっていて、選択肢があるのは知っていたけど、“変える”という発想はなかったですね。
手元のスタンドライトや作業灯はなんとなく自由に変えられたけれど、天井の照明が外せるなんて本当に知らなかった。笑
杉村:
そう、知らないよね。
新里:
そうなんです。それで、引っ越しのタイミングで「自分で照明選んでいいんだ!」って知ったんですよ。
それで実際に照明を替えてみたら、
「あ、夜ってこんなに楽しいんだ!」
って思いましたね。笑

杉村:
ほんとにそう。
光の色が変わると同じ物でも見え方が変わるし、影の輪郭だって違って見える。
これは、よくお客さまにもお伝えしているんですけどね。
だから、私自身が心地よいなと思う光っていうのは、電球の色温度でいうとね、
2200〜2400ケルビンくらいの温かい光 って心地よい色なのかなって思うよね。
実際にも夕日の色に近くて、人が夜に向かう準備をする光なんですよ。
一方で、日本で白い光が多いのは戦争を経験した世代が「暗い夜が不安」っていう感覚を持っていたっていう話があるんです。
それが “明るい光=安心” って文化になって、その感覚を僕たちの親世代が引き継いでさらにその次の世代にも定着していった。
新里:
なるほど…。
杉村:
でも、だんだん今の若い世代の人たちの住まいではかなり温かい光が増えてきている。
僕らが少しずつ提案してきた積み重ねもわずかに実ってきているのかもしれないね。
暮らしの中の光の見え方、光の取り込み方や提案の仕方というのは、きっとそういう “暮らしのあり方” にもつながっていくんじゃないかなって思っています。

" 経年変化したもの、していくものたち
が暮らしの中に与える良さとは? "
新里:
では最後のテーマです。
"経年変化" が暮らしに与える良さとは、どんなものだと思われますか?
杉村:
人も歳を取るし、家や家具も歳を取っていく。
経年で変わっていくのが自然なんですよね。
その中で、例えば金属の物だけがずっとピカピカのままで何も変わらない。
それってちょっと不自然で、なんだか居心地が悪い感じがするんですよね。
新里:
変化がないことが、逆に違和感になるんですね。
杉村:
そう。
経年変化していくものが美しいなと思えるのって、人でもそうなんだけど、
「いい人生を歩んできたんだな」
「この人、いい生き方をしてるな」
って感じる方って、
その表情や空気感に深みがあるじゃないですか。
物も同じように、時間を重ねた表情が生まれるのだと思っています。
新里:
確かに、時間って美しさをつくるんですね。
杉村:
それには、やはり
経年に耐えられる素材
が必要です。
素材が良いからこそ美しく変わっていける。
最低限、素材はきちんと良いものを選びたい。

新里:
素材の良さって、やっぱり大事なんですね。
杉村:
大事。
僕自身、昔は綺麗なイタリア家具やデザイナーの家具が好きだった時期もありました。
それを否定するつもりはないけど…
いつからか、疲れてしまうようになったんです。
常に綺麗に保たないといけない感じがして、小さな傷に目がいってしまう。
本来は自分を癒すために選んだ家具だったのに細かいところが気になってしまって、
自分が追われてるような感覚になってしまったんです。
そんな時にヴィンテージという古いものに出会って。
傷が傷じゃなくて かっこいい。この傷ひとつも味わいだなって思える。
そこから
「なんでこう感じるのだろう?」って疑問が浮かんで、そのハテナをどんどん細かく刻んで…
自分の中でどこに行きつくかを調べたら、最終的には「素材」、
そしてその素材を選んだ「大元のデザイン」に行き着いたんですよね。
昔のものは技術がまだ発達してなくて素材も限られていたけど、だからこそ職人がとことん丁寧に作っていたんだと思います。
どれだけ原価がかかっても「いいものを作ろう」という気持ちで。
その想いが今でも物の中に残っていて、だからこそ、かっこいいって感じられる理由なんだと思いますね。

新里:
新品か古いか、って区別する必要はないんですね。
杉村:
そうそう。
その線引き自体いらなくてね。
これは古いけど好きだな。
これは新しくてピカピカだけど素材がいいから馴染むな。
そういう選び方ができるといい。
もっと海外みたいに自由に選んでいいと思うんです。
日本のインテリアはもっと自由であるべきだと思う。
固定概念にとらわれすぎている感じがあるから、もっと海外の人たちのインテリアや暮らし方をもっと柔軟に取り入れていっていいと思いますね。
新里:
本当にそうですよね。
暮らしって、もっと自由でいいんだなって改めて思いました。

今日より明日、少しずつ心地よく。
POINT NO.39 は、あなたの暮らしにそっと寄り添えたら嬉しいです。