Point No.39


CASE DATA
CLIENT / COMPANY CABIN POINT NO.39
PLACE / Koshu Yamanashi
CATEGORY / HOME USE





山梨県甲州市の郊外にある、平屋建ての一軒家。
ここは、POINT NO.39 が “保養所兼ラボ” として活用している拠点のひとつです。

ぶどう畑が広がり、季節の果物やワインでも知られるこの土地は、
五反田の店舗から車で2時間ほどの距離にありながら、四季の移ろいや土地の風景がしっかりと感じられる場所。
時間の流れ方がどこかゆるやかで、ひと呼吸置くにはちょうどいい空気が流れています。

建物は広い庭付きで、内装などに手を加えてもいいという条件の自由度の高い賃貸物件です。

この『余白のある空間』を自分たちの手で整えながら
プロダクトを試し、過ごし、感じるための拠点として活用しています。




 
玄関には試作品の直付けペンダントライトを。
家具は全てヴィンテージ家具をセレクトし、照明はオリジナル照明を使用しています。

Bracket / Prototype




 
フローリングは全てオーク材に張り替え、オイル仕上げに。
壁は漆喰塗りで統一し、スタッフ全員で手を動かし作り上げています。





玄関入って左手の懐かしさの残る縁側スペース。
試作の直つけペンダントライトにヴィンテージのイージーチェアを。
光と暮らしの相性をじっくりと確かめられる空間。









時間帯や季節による自然光の変化、家具や壁面との相性、
暮らしの中での使い心地など、店舗にレイアウトするだけでは得られない情報が
ここでは日々の中から感じられます。





カーテンレールも照明に使用するパーツの使い方をアレンジして製作。









リビング・ダイニング
天井は全て外し空間を広くし、灯数の多い大きめのシャンデリアを2台設置。
(写真手前:試作品、奥:OCH016-WH

この場所では、実際に私たちが照明を"使ってみる”とういうプロセスを大切にしています。
図面やデータだけでは届かない感覚を、暮らしの中に身を置きながら、ひとつひとつ丁寧に確かめています。





Chandelier / OCH016-WH 
Bracket / OBL066 Custom (エアコン左横)
Vintage Cabinet ( Pine ) / England 





Bracket / Prototype(窓際)





Vintage Sofa and Table ( Rattan-framed) / France





Chandelier / Prototype ※他納品事例で詳しくご覧いただけます。
Vintage Dining Chair / USA









懐かしさの残る木造の佇まいに、真鍮の照明がよく馴染みます。
経年変化で時間と共に表情を変える素材だからこそ、
この家の柱や剥き出しの天井、季節ごとに変わる光の入り方に、すっと溶け込んでいくように思います。





ダイニングテーブル脚部分のペイントは経年で剥がれてシャビーシックなスタイルに。

Vintage Table / England 









Desk Light / OSL076
Vintage Kitchen Cabinet / England





Floor Lamp / OSL185









キッチン水回りはリノベーション済み。
他の部屋も含め、必要最小限の改修にとどめ、その分照明の見せ方や家具の選び方・配置で心地よい空間を作りを試しています。

実際に暮らしの中に取り込むことでスタッフ全員の感想、人によっての感じ方など、さまざまな視点から商品を見ることができ、製品の改善や接客時のアドバイスに繋げることができます。





Pendant / OPL083 





Bracket / OBL005 + Shade( Custom )





この家で過ごしていると、
自然光と照明の灯りの落ち方、溶け込み方にハッとする瞬間があります。
大切な存在がそこにいて、優しい光の中でリラックスしている表情
言葉では言い表せられない感覚や体験が次の製品作りや店舗の設えへと
自然とフィードバックされていくように感じます。





玄関を入って右手にある寝室。

Vintage Bed Frame / USA





Bracket / Prototype
Pendant / Prototype





保養所というよりは、生活の延長線のような空間です。
庭の雑草を抜いたり、地元の野菜を使って料理を作ったり、
空間を整え、光を調整しながら、何気ない作業の中に小さな気づきがあります。





玄関を入って右奥にある廊下。

Pendant / Prototype





廊下の先にある洗面所には、試作品の直付けペンダントライトを。
奥はシャワールームがあります。

Pendant / Prototype





















時を重ねた素材同士が、お互い邪魔をせず、心地よい距離感を佇んでいる。
そんな調和を目指して、空間を整えています。

季節によって風の抜け方が変わり、
光が差す角度も少しずつ変わっていくこの家の中では、
時間そのものが素材になっていくような感覚があります。

その中で私たちが作る照明が、どんな表情を見せるのかを静かに観察することもまた、この場所の役割です。













予定も決まり事もなく、それぞれ自然体で過ごす。
そんな何気ない時間の中に、仲間としての距離感やチームの空気のようなものが
ふっと見える瞬間があります。

保養所としての役割、ものづくりの現場でもあり、感覚を取り戻す場所。

ここでの気づきを、これからも物作りに繋げていけますように。